ログインあれから。平日の日中は大体双鹿の元でのアルバイト、夜はAWMにログインしてソロ活だったり、アザカと共にゲームをする日々だった。
そして、今日ももちろん皇は双鹿の元でのアルバイトに打ち込んでいた。
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「んッ……ん———……」
双鹿が肩をバキバキとそれはもうびっくりするぐらいの音を鳴らしながら伸ばす。
(あ、あれは……)
皇は双鹿の元でのアルバイトでなんとなく行動の癖が把握できてきたころだった。ちなみに、今のは作業がひと段落した、ということだ。
「双鹿さん、なにか甘いもの出します?それかカフェラテかなにか……」
ちなみにどれも味の間違えようがない買い置き・インスタントだ。バイト初日に皇が昼飯を振
あれから。平日の日中は大体双鹿の元でのアルバイト、夜はAWMにログインしてソロ活だったり、アザカと共にゲームをする日々だった。 そして、今日ももちろん皇は双鹿の元でのアルバイトに打ち込んでいた。---------------------------------------------------------------「んッ……ん———……」 双鹿が肩をバキバキとそれはもうびっくりするぐらいの音を鳴らしながら伸ばす。(あ、あれは……) 皇は双鹿の元でのアルバイトでなんとなく行動の癖が把握できてきたころだった。ちなみに、今のは作業がひと段落した、ということだ。「双鹿さん、なにか甘いもの出します?それかカフェラテかなにか……」 ちなみにどれも味の間違えようがない買い置き・インスタントだ。バイト初日に皇が昼飯を振る舞って以降、食事は作らせてもらえなくなった。「……羊羹。あと緑茶」「かしこまりました」 双鹿からオファーを受けて、皇は台所にいそいそと向かう。そして、電気ケトルでお湯を沸かしながら、冷蔵庫から冷えた羊羹を取り出し、それを切り分ける。 それらを配膳しながら会話をするのだ。「午前中に言われたことは軒並み終わりましたけど……この後はなにかありますか?」 そう双鹿に問いかけると、双鹿は目がしょぼしょぼするのか目を何度か瞬きしながら皇が運んだ羊羹をフォークで切り分ける。「……買い物を頼むわ。ちょっと摘まめるお菓子の補充とインスタント飲料の補充」「はい」 そうして、粉末の緑茶をマグカップに入れ、電気ケトルからお湯を注いで、緑茶を作り終えれば、それを双鹿の前に置き、自分もその対面に座る。「はー……使い勝手のいい下僕のいる生活ね&h
さて。あれから数日。「んー……」 皇は現実世界の市役所に居た。その理由は簡単だった。 ……バイトを探しているのである。AWM内でどれだけ稼ごうとその半分はヘルアに流れていってしまう。つまり、うま味がない。だけど、金がないのも困る。 と言うことで、ヘルアに流れていかない現実世界でしばらくの間お金を稼ごうと市役所の求人を見に来たのである。(給料の相場が分からんな……) 皇は生まれてこの方なにぶん才能がなさ過ぎて働いたことがなかった。できることと言えば、…………なんだろう。 遊城家のお金を食いつぶし、親のすねをそれはもうマッハで齧ってきた故に給料の相場が分からなかった。 ちなみに市役所に来た理由は簡単なモノだった。市役所なら所謂闇バイトは紹介されてないだろう、という目論見だ。(んー……) そうして、市の求人の電子目録を捲ること数十分。「お」 その求人は一際皇の目を引いた。別に特に派手とかそう言う訳ではない。だけど、その職種に目を引かれたのだ。「ハンドメイド作家のお手伝い……」 業務内容も作品の発送や、ホームページの更新、作業中の作家のお茶くみと皇でも問題なく行えそうな業務内容だった。 しかも、給料もそこそこに高い方で。 皇はその求人の応募ボタンを押すのだった。--------------------------------------------------------------- ———数日後。 その日はアルバイトの面接の日だった。 あれからメールでいくらかのやり取りをして今日の面接に至る。「緊張するな……」 服装は私服で構わないと言われたから私服で来たが&h
「うわ、マジか……マジかよ、てめぇ……」「え、ええ?」 アザカがヴィクトを信じられないものを見る目で見る。(な、なんだ……?) 結局ヘルアはガチで装備も金もとらなかったし、アザカと合流するって言うこともあって念入りに体も洗った、……つまり、ヴィクトが今までなにをしていたかなんて分かりようもない筈、なのだが。「てめぇ、……路地裏の売春宿のシャンプー使ったな?」「え……?」 ヴィクトは固まる。なにをやっていたか、ではなくどこにいたかを言い当てられて。そして、そんな場所に居てやることなんて1つしかなくて。つまりは、なにをやっていたかもアザカに筒抜けたということで。「え、なん、なんで!?」 ヴィクトが大げさに驚いています、と言う風に言えばアザカはじとっ、とした目でヴィクトを見て言うのだ。「あそこのシャンプーは使った本人には分からない匂いを発する特別製なんだよ」「なっ……」 ヴィクトは自身の髪の毛の匂いを嗅ぐ……が、言われた通り分からなくて。無臭だった。「他のサイバー強盗が分かりやすいようにマーキングされたんだよッ!てめぇ!どうせバインバインなねーちゃんに誘われてヤったんだろ!?所持金全ロストだろ!?」 お怒りのアザカをなんとか落ち着かせようと、ヴィクトはいそいそと所持金の見える現在のステータス画面のスクショをアザカに送り付けた。すると———。「かああああああああああああっ!」「なんだよ!」「やられてんじゃねぇか!」「なにが!?俺に分かるように言ってくれ!?」 そうヴィクトが言うと、アザカはこれでもか、というでかい溜息をついてそのスクリーンショットを見せながら言うのだ。「まず、これだ」
入り組んだ路地裏を歩いていると、女性が振り向いた。「ベッドがいい?あたしは———ここでもいいんだけど」 ヴィクトは少し悩む。(屋外で……って言うのも現実では望めないスリルがあっていい、けど……)「ベッドで」 そう言ったヴィクトに女性は先を歩き始める。もちろん、それについていくヴィクト。(いやあ、だって……股間の大きさまでしっかり反映されてるからなぁ……) 流石にセックス相手以外にナニの大きさを見られるのはちょっと恥ずかしい。そんなことを考えながらヴィクトが女性についていけば、なにやら一見は普通の宿なのに、いかがわしい雰囲気の漂う宿に到着する。 女性は慣れた手つきでチェックイン手続きを済ませて、ヴィクトを先導する。そうして、部屋に到着すれば———。---------------------------------------------------------------「あっ、アっ、ああっ!」 宿に着いて。別にヴィクトたちは恋人同士ではない。お互いに行為中に呼ぶ名前(女性はヘルアと名乗った)を確認すれば、甘い前戯なんてすっ飛ばしてさっさと挿入をした。 いや、別にヴィクトがそれを強行したわけではない。 どう抱こうか、とヘルアの体をまじまじと見ていたらヘルアが洋服を脱ぎ捨てベッドの上でM字開脚をして、そのまんこを見せつけるように指で開きながら言ったのだ。〝超……濡れてる、よ?〟 そんな誘い文句を言われてちんぽが反応しない筈もなく。 ヴィクトはズボンとパンツを放り投げて、そのまんこの先に完全に勃起したちんぽを擦りつけた。 ヘルアのまんこは宣言通り、もう挿入される準備ができていると言っていいぐらいにぬるぬるに濡れていて。ちんぽの先を擦りつけてじらそうなんて思っていた思考は吹っ飛んで、勢いよく
目を開ける。眼前に開かれたそこはもう、先ほどまでの草原などではなく。どこかの街中の雑踏の中だった。 そして、皇が地に足がつく感覚を自覚した瞬間だった。「あっ、ぐっ、おえっ……」 大腸が捩じ切られて、その中のものが胃にまで逆流する感覚。その嘔吐感に思わず皇は蹲ってしまう。そうして、人混みの雑踏の中で蹲りながらえづいていれば———。「はっはっはっ、初回ログインの慣例を受けてやがるな」 それは聞き覚えのある、親友の声だった。だが、その親友の声ですら脳みそを揺さぶる材料にしかならなくて。 ひたすらにその嘔吐感が通り過ぎるのを皇は待った。そして、ひとしきり苦しんだところで、体が慣れたのかスーッ、と苦しさが引いていく。「は、は……はあ……」 胃の中に何も入ってないのに、ゲームだというのに。(ッ……なんだこの苦しさは)あまりにも生々しすぎてこれを毎度と言われたらログインに躊躇うぐらいの強烈な慣例だった。 皇はふらふらとしながらゆっくり立ち上がり、薊を見る。「んな不安そうな顔すんなって!誰だって通る慣例だって!ちなみに俺は半月ほど毎回吐きそうになりながらログインしたぜっ」「マジか……ん?」「ん?」「と言うことは、この慣例もいつかはなくなるのか?」 そう問いかければ、薊……いや、此処ではアザカか。アザカはニッ、と歯を見せて言うのだ。「当たり前よっ!んな、毎回毎回地獄の苦しみを味わうゲームは普及しねえよ!」 ああ、まあそれは確かに。皇は1人納得をしながら、手をぐーぱーと動かす。 現実で生きている感覚とあまり変わらなくて、俺はそのことに改めて驚いてしまう。「どうだ?初AWM?」「んー……早速システムの不具合を疑った?」「はあ?」 なに言ってんだ、という顔をするアザカに対して、皇は先ほど見たものを説明する。驚異の適合率100%の話を。「いや、でもなあ、うん……」「ん?」「い
皇はその存在の笑顔に魅了されながらも、ふと思い至る。(この世界の俺のアバターはどうなってるんだ……?) そんなことを思っていると、女性が女性の後ろにあるものを指し示した。それは鏡だった。 そして、そこに映る姿を見て、皇は少しげんなりとする。「現実の俺だ……」 鏡の前で動くと鏡の中の皇も全く同じ動きをして。そうして、皇はどこまで自分と言うものが再現されているのかが気になって、服の中を見る。 乳首の色、脇腹のホクロ、果てはナニの大きさまで完全にそれは現実の皇だった。 あんな首輪1個で全身の詳細な情報を取れるなんて……と、感動してしまう反面、そういうの医療の領域で活かせばいいのに、なんて思いが湧いてしまうぐらいだった。 そうして、その再現度合いに感動とも何とも言えぬ感情7割、いや、ゲームなんだからかっこいいアバター使わせてくれよ3割ぐらいの気持ちで居れば女性と目が合った。 女性は困ったように微笑めば、そのふっくらとしたピンク色の唇を開いた。「ようこそ、All World My handsへ。初回ログインを確認しました。ゲームで使用するお名前を決定してください」 そう女性が言えば、皇の前にキーボードが展開される。皇は「んー……」と悩まし気な声を上げながら考える。(確かに、現実の名前で呼び合うとゲームの世界観的に合わないよなあ……) そして、皇は更に考える。(俺はこの世界でなにをしにきた、金を稼ぎに来た。なんのために、俺の人生の勝利のために) そこまで考えて皇はニッ、と口角を上げる。そうして、キーボードでヴィクト、と打ち込んだ。(ヴィクトリーからそれっぽく取ってヴィクト、かっこいいだろ?) そうして、皇がエンターキーを弾けば、女性は言うのだ。「ヴィクトさんですね。これから、ゲームとの適合度を測定します。少々お待ちください」 すると、女性はその大きな瞳で皇のことをまじまじと見る。いや、多分この間に色々スキャンされたりしているんだろうけど。(それにしても……